今年の夏はビールがうめぇ!秋は食欲の秋でビール!冬は忘年会でビール!春は花見でビール!
オールシーズン飲んでるだろ!もはや季節関係ねぇな
…とは言っても、たしかにビールはいつでも美味い!!特に仕事終わりなんて最高ですよね。
しかし、お酒が健康に悪いなんて言わずもがな。聞きたくないセリフ。それに我々筋トレを愛する、筋トレーニーにはあまりにもショックな事実。
アルコールは筋肉の合成に悪影響である!
せっかく限界のその先へ!と励んでも、筋トレ直後の飲酒は、筋肉の成長が進みにくくなるんです。ゼロではないですが、同じ努力をしても100成長するはずだったものが、60しか成長できなかったら悔しいですよね。
この記事を読むことで、筋トレとアルコールを上手に楽しめて、筋肉の成長を最大限守れるようになります。
結論からいうと
- 筋トレの時間とお酒を飲む時間を意識して空ける
- 飲酒の前後にプロテインを摂取。つまみはタンパク質を意識してとる
水分補給が大事などの情報は知っている人も多いと思いますが、プロテインはお酒好きのトレーニーの味方でもあるんです!
私自身、上記のことを守るようになってから、実感したことは二日酔いにならなくなったということです。もちろん筋肉も成長してきていますので、筋トレもお酒も好きなトレーニーにはぜひお勧めしたいと思います。
とにかく筋トレを愛する皆さんにお伝えしたいのは、プロテインは裏切らないということ。
そして筋トレ後のプロテインほど酔えるものはないということ。
筋肥大について
筋分解と筋合成
まず私たちの筋肉は絶えず分解されている。分解と合成がバランスよく保たれているから維持できている。人間の身体を構成するタンパク質にも寿命があり、新陳代謝を行っているからだ。
筋肉量を増やすためには、筋肉の分解よりも筋肉の合成量を多くする必要がある。
筋肥大をするために筋トレをするわけだが、筋トレや激しい運動をすると、なんと筋肉の分解はより進行する。
しかし同時に筋肉の合成も促進されるため、タンパク質と糖質を摂取をすることで、筋肉の分解は抑えられ筋肉の合成が上回り、筋肥大がされるというメカニズムだ。
筋トレが筋合成に与える影響
筋トレをすると筋肥大するということは、知っていても理由を理解している人は少ないのではないでしょうか?
筋トレをすると筋肥大する理由は『ストレス』にあります。筋肥大に必要なストレスは4つあります。
体づくり・筋肥大から体脂肪低減まで 筋肉をつくる食事・栄養パーフェクト事典|岡田 隆・竹並 恵里
- 強い筋力の発揮
- 筋繊維の微細な損傷
- 無酸素性代謝物の蓄積
- 筋肉を低酸素状態にする
1.強い筋力の発揮
筋トレでイメージしやすい光景はなんですか?ダンベルを持って肘を曲げる運動ではないでしょうか?
ダンベルカールと言って、上腕二頭筋(ちからこぶ)を鍛える筋トレ種目です。例に出したこの種目でいえば、上腕二頭筋に強い張力(筋力)が働くことで、その筋肉のストレスとなり、それが筋肥大を促すシグナルとして脳に伝達されるのです。よって逞しいちからこぶを作ることができます。
2.筋繊維の微細な損傷
これは聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?筋繊維が傷ついて、休養することで超回復する!ほぼ正解です。
筋トレで筋肉が強い緊張力を発揮して筋収縮すると筋肉は微細な損傷が生じます。この損傷も筋肉へのストレスになります。損傷によって起きる免疫反応などを経て、筋繊維のもととなるサテライト細胞の増殖が促されます。サテライト細胞とは簡単に言うと筋の再生で中心的な役割を担ってくれる骨格筋の幹細胞のことです。普段は筋繊維に密着しているだけですが、付着している筋繊維が傷つくと、いったん増殖して傷口を埋めようとしてくれます。
3.無酸素性代謝物の蓄積
筋トレにより、何度も筋収縮をすることで、血液中に乳酸や一酸化窒素、水素イオンといった無酸素性のエネルギー供給に伴う代謝物が蓄積していきます。その蓄積がストレスとなり、筋肥大を誘発する成長ホルモンの分泌が促進されます。筋トレ後は成長ホルモンなどの分泌に加え、筋肉の合成反応も高くなっているとても大事な時間なんです!
4.筋肉を低酸素状態にする
これは3.無酸素性代謝物の蓄積とも関わっています。
筋トレすることで、筋肉内の酸素供給が不足します。
酸素不足の状態では、遅筋繊維が疲労しやすくなります。そこで酸素を使わずにエネルギー代謝を行う速筋繊維も働くようになります。遅筋繊維は歩行などの普段の生活やランニングなど持久力が必要な時に活躍します。逆に速筋繊維は筋トレなどまさしくパワーを必要とするときに活躍し、持久力は低いです。普段の生活でいきなり速筋繊維が働いたら疲れやすく非効率ですので、先に遅筋繊維が働くのも理解できますね!その速筋繊維は遅筋繊維より太く、筋肥大にも貢献しています。
話を戻します。速筋繊維が働くことで、無酸素性代謝物の蓄積が通常よりも多くなります。よって、その蓄積がストレスになり筋肥大に重要な成長ホルモンの分泌が促進されます。
筋合成の高まりと食事
上述したように、筋トレをすると筋肉の合成反応が高まります。筋肉の部位やどの程度のストレスを与えたかで違いはありますが、筋トレ後48時間は筋肉の合成反応が高まっていると言われています。その為、筋トレ終了直後だけでなく筋トレ終了後48時間はタンパク質の摂取を意識することが大切です。
しかし、やはり筋トレ終了直後~約3時間というのはゴールデンタイムと言われているほど、大切な時間。いくら筋トレ後48時間は筋肉の合成反応が高いといっても筋トレ終了直後は特に重要なんです!!
以下の図をご覧ください。
体づくり・筋肥大から体脂肪低減まで 筋肉をつくる食事・栄養パーフェクト事典|岡田 隆・竹並 恵里
体づくり・筋肥大から体脂肪低減まで 筋肉をつくる食事・栄養パーフェクト事典|岡田 隆・竹並 恵里
まず1つ目の左(上)の図についてです。こちらの研究では、2つの男性グループが、週3回のペースで10週間筋トレを行い、「タンパク質(10g)+糖質」のサプリメントを、筋トレ終了直後に摂取する群と、筋トレ終了2時間後に摂取する群に分かれて取り続けたところ、終了直後に摂取したグループに高い筋肥大効果が表れたという結果になりました。プロテインを摂取して約1時間後に血中アミノ酸濃度がピークを迎え、2時間後まで高い状態が続くと言われているので、筋トレ終了後の1時間以内のプロテインの摂取が大事と分かりますね。
2つ目の右(下)の図について。こちらの研究では「必須アミノ酸+糖質」のサプリメントを、1つのグループが下半身の筋トレを行う直前に、別のグループが筋トレを行った直後に摂取し、筋タンパク質合成反応を比較したところ、直前に摂取したグループに高い筋タンパク質合成反応が表れたという結果になりました。
これらの結果から、筋トレ終了直後やそれ以前の筋トレ前からのプロテインやアミノ酸の摂取が大事なことが分かりますね。
筋トレ中にBCAAを飲むゴリラ(尊敬を込めて)たちは、血中のアミノ酸濃度を下げないためにケアしているんだね
肝臓の働きについて
ここまでの話で、いかに筋トレ後の過ごし方が大切かを、ご理解いただけたかと思います。
筋トレ前後のタンパク質の摂取は大切ですが、
そもそも私たちの内臓、特に肝臓が働いてくれるので、筋肉が発達できるのです。本当に肝臓様に感謝ですね。
肝臓の主な働きは、こちらの3つです。
- 代謝
- 解毒
- 胆汁の生成
1.代謝
糖やタンパク質、脂質やビタミンなどのエネルギー源を分解・合成、貯蔵してくれます。私たちの大好きなタンパク質でいうと、お肉やお魚などのタンパク質を食べてそのまま体のタンパク質になるわけではないんです。胃や腸で分解してアミノ酸になり吸収され、血管を通って肝臓から体の各部位が使いやすいようにさまざまな物質に再合成してくれるんです。肝臓が正常に働いてくれるお陰で筋肥大が存分に行われるんです!
2.解毒
この記事の主タイトルである「アルコール」や体内で発生するアンモニアなどの有害な物質を分解・無害化して、体の外に排泄する役割があります。アルコールに含まれる有害物質でよく聞く名前でアセトアルデヒドという物質がありますよね。飲みすぎて二日酔いになるときの原因のやつです。そのアセトアルデヒドを酢酸へと分解し、最終的には水と二酸化炭素になって排出されるんです。アルコールの飲みすぎは、肝臓に負担がかかりそうなのは想像しやすいですね。
3.胆汁の生成
食物の消化を助ける胆汁を生成します。胆汁は肝臓によって1日1ℓほど作られます。胆汁は脂肪を消化するために必要な液体なんです。
アルコールが筋合成・ボディメイクに与える悪影響
筋トレを行った日に飲酒すると、トレーニングによって高められた筋タンパク質の合成反応が低下する恐れがあります!
簡単に言うと、筋トレしてすぐの飲酒は筋肥大を邪魔します。
理由は主にこの2つです
- 肝臓がアルコールの分解を優先する
- ホルモンによる筋分解の進行と筋合成の抑制
では、詳しく見ていきましょう!
肝臓がアルコールの分解を優先する
肝臓はアルコールなどを解毒する作用と体の各部位に栄養を送り、筋肥大に貢献することを話してきました。
アルコールは百害あって一利なしです。昔までは少量なら良いとも聞いたことがあるとは思いますが、最近では少量であっても必ずしも良い影響をもたらすとは言えないと判明してきたそうです。
アルコールは体にとって有毒となるため、肝臓がアルコールを分解しようと優先的に働きます。その為、アルコールを分解しようと一生懸命になっているところにタンパク質の代謝をいつも通り行えるかといったら、難しそうなのは想像しやすいですよね。
こちらの図をご覧ください。
アルコール摂取は、1回の同時トレーニング後の筋原線維タンパク質合成の最大運動後速度を損なう|PLOS ONE
この研究の導入として、多くのチームスポーツの文化では、トレーニング後や競技後に大量のアルコールを摂取する。そこで炭水化物またはタンパク質の摂取を伴う、激しい運動後のタンパク質の合成速度に対するアルコール摂取の影響について調べたそうです。
8人の男性に下肢の筋トレや高強度インターバルを実施しました。運動直後と4時間後に①プロテインのみ、②プロテイン+アルコール、③炭水化物+アルコールに分けて摂取してもらったそうです。
結果は、図の通りでプロテイン摂取のみが圧倒的に筋合成に有利でした。
次いで、アルコール摂取を含んだ栄養摂取では、炭水化物よりもプロテインの摂取が筋合成が上回ったという結果です。
『筋合成の高まりと食事』でもお伝えしましたが、筋トレ終了直後は筋合成のゴールデンタイムです。このタイミングでお酒を飲むのはもったいないですよね。
ホルモンによる筋分解の進行と筋合成の抑制
そしてもう一つ、アルコールが筋合成・ボディメイクに与える悪影響にホルモンが関係しています。
お酒を飲みすぎるとコルチゾールというホルモンが分泌されます。別名ストレスホルモンとも呼ばれており、なんと筋肉の分解を進めるマイナスの作用があるんです。間接的に脂肪の合成も促進されます。
また、お酒を飲みすぎることで、テストステロンの分泌が抑制されるのです。テストステロンは、筋肉の合成に大いに貢献してくれますので、抑制されることはかなりの痛手です。また、テストステロンは女性にも分泌されますが、男性に比べると僅かです。ですので、アルコール摂取が筋肥大に悪影響なのは、女性よりも男性なんです。男性トレーニーの我々にはショックな話ですよね。
筋トレーニーのアルコールとの付き合い方
もちろんアルコールを飲まないという選択ができれば、1番良いですがそうもいかない時もありますよね。
筋トレーニーがお酒を飲むなら、以下のことを意識しましょう。
- 筋トレの時間とお酒を飲む時間を意識して空ける
- 飲酒の前後にプロテインを摂取。つまみはタンパク質を意識してとる
では詳しく見ていきましょう!
筋トレの時間とお酒を飲む時間を意識して空ける
以上のことを踏まえると、飲酒するなら筋トレした翌日が望ましいと言えます。
どうしても筋トレの日と飲み会の日が重なってしまう場合は、朝に筋トレをして、なるべくゴールデンタイムの時間を確保しましょう。
体づくり・筋肥大から体脂肪低減まで 筋肉をつくる食事・栄養パーフェクト事典|岡田 隆・竹並 恵里
こちらの図を見ると、最低限ゴールデンタイムの飲酒を避けることが、いかに有効なことかが分かると思います。
飲酒の前後にプロテインを摂取。つまみはタンパク質を意識してとる
筋トレーニーにとって飲酒で怖いのはなんでしょうか?
もちろんここまで見てくれたあなたなら、『飲み過ぎてしまい筋肉の分解が進むこと』と答えてくれることでしょう。
その他にも、食べ過ぎてしまい肥満のもとになることが挙げられます。
自分も専門学生時代は毎年スーツが着れなくなり、無駄に買っていたよ。
アルコールは、肝臓に脂肪を貯めやすくする作用もあるから本当に注意が必要だね!
そこで飲酒の1~2時間前にプロテインを摂取することで、食べ過ぎを予防できます。『それだけで食欲を抑えられるの?』と思われる方もいるかと思いますが、タンパク質を摂取すると満腹だと感じて食欲が減る効果が期待できます。このことについては、こちらの方の記事が分かりやすかったので、参考に載せておきます。
また、飲酒量も減り、筋肉の分解を抑える効果も期待できるので、飲酒前のプロテインはとてもお勧めします。
次は飲酒中のおつまみについてです。
お酒を飲んでいるときはなるべくタンパク質を摂って、筋肉の分解を避けましょう。
また、お酒を飲んで、タンパク質も同時に摂って肝臓に良くないのでは?と思う方もいるかと思います。しかし、逆に飲酒時のタンパク質の摂取は肝機能のサポートになるんです!
タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、その内の1つであるロイシンという必須アミノ酸があります。ロイシンはタンパク質の合成に深く関わるとともに、なんと肝機能を向上させる作用もあるのです!
ぜひ、お酒を飲むときはタンパク質を意識して積極的に摂りましょう。
ちなみに、つまみはこれらがお勧めです
- 焼き鳥(皮はNG)
- ちくわなどの練り物
- 枝豆
- 豆腐
- 刺身
最後は飲酒後のプロテインです。
飲み会では、なかなか思うようにタンパク質を摂れなかった方も多いと思います。会社の飲み会なら尚のこと気を使いますよね。
そこで飲み会の後も、プロテインを摂取しましょう。
ここまで徹底できれば、筋合成をなるべく高めたまま維持して分解を抑えられるとともに、肥満予防、二日酔いの予防も期待できます。
まとめ
今回は筋トレとアルコールの付き合い方について話していきました。
アルコールは飲まないことに越したことはないのですが、ぜひお酒好きのトレーニーには飲酒前後のプロテインの摂取とタンパク質を意識したおつまみをお勧めします。
また、できれば筋トレの日とお酒を飲む日を分けることができたら、理想的です。
肝臓が正常に働かないと筋肥大が思うようにできないので、『飲みすぎかも』と思ったときは、休肝日を設けてみても良いかもしれませんね。
最後に、
筋トレをやり切った後に飲むプロテインは最高に酔いますよね!?体に染みますよね!?
ぜひ一緒に最高に旨いプロテインを飲んで、最高の筋トレライフを楽しんでいきましょう♪